【導入事例】「家族葬」に寄り添う、心温まるお別れホール。トレーラーハウスで実現する霊園の新しい形(株式会社いしとも様)
大切な人と過ごす最期の時間を、より温かく、より身近なものにしたい──。 葬儀の形が大きく変化する中、千葉県船橋市を中心に霊園・墓石事業を展開する株式会社いしとも様が、新しい時代の「お別れホール」を完成させました。
株式会社エリアノが設計・製造を担当したこのプロジェクトは、利用者の心に寄り添う空間デザインと、霊園経営におけるビジネス課題の解決を同時に実現した、画期的な事例です。
1. 事業計画の壁となる「建設費高騰」の現実
本プロジェクトの背景には、霊園業界、ひいては施設開発を行うあらゆる事業者が直面している「深刻な社会課題」がありました。それは、建設コストの記録的な高騰です。
高騰し続ける建築コストと事業への圧迫
「ウッドショック」や「アイアンショック」に端を発した資材価格の上昇は、エネルギーコストの増加や円安の影響も相まって、高止まりの様相を呈しています。さらに、物流・建設業界の慢性的な人手不足による労務費の上昇も重なり、建築を取り巻く環境は激変しました。
霊園開発における「1億円の壁」
特に、霊園やお別れホールといった施設において、その影響は甚大です。 「人生の最期を見送る場所」という性質上、安普請な建物は許されません。静寂を守る防音性、重厚感のある設え、そして長期的な耐久性が求められるため、一般的な商業施設以上に坪単価が高くなる傾向にあります。
従来、霊園内にしっかりとしたお別れホールを建築しようとすれば、小規模なものであっても建設費は1億円を優に超えてしまうことが一般的でした。 しかし、イニシャルコスト(初期投資)の肥大化は、そのままサービス価格への転嫁を余儀なくされます。結果として、利用者の負担額が跳ね上がり、「立派な施設だが、高すぎて使えない」という本末転倒な事態を招きかねない──。これが、多くの事業者が直面しているジレンマです。

株式会社いしとも様は、この課題に対し正面から向き合われました。 目指したのは、単に建物を建てることではなく、「利用者の手に届きやすい価格設定でありながら、故人との最期のお別れを心ゆくまで過ごせる、質の高い空間」を提供することでした。
近年、葬儀のトレンドは「多くの参列者を招く一般葬」から、親しい身内だけで行う「家族葬」へと急速にシフトしています。求められているのは、豪華絢爛な広間ではなく、親密で温かみのある空間です。
「建設費が高騰する中で、いかにしてコストを抑えつつ、妥協のない空間を作るか」 その解として選ばれたのが、エリアノが提供する「トレーラーハウス」という選択肢でした。
3. なぜ今、トレーラーハウスなのか? 3つの戦略的価値
今回のプロジェクトで導入されたのは、11mサイズのホール棟と、同サイズの屋根付きデッキ棟を連結させた大型トレーラーハウスです。 これは単なる「コストダウンの手法」にとどまらない、事業戦略上の大きなメリットがあります。
① 圧倒的なコストパフォーマンスと工期短縮
建築確認申請が不要(※設置条件による)な車両扱いであること、そして工場で製造して現地へ運ぶオフサイト工法であることから、従来のRC造や鉄骨造の建築に比べ、費用を大幅に圧縮することが可能です。これにより、いしとも様が目指した「利用者に優しい価格設定」を実現する土台が整いました。
② 事業リスクを下げる「可動性(モビリティ)」
不確実性の高い現代において、「動かせる」ことは最強のリスクヘッジとなります。 建物(不動産)は一度建ててしまえば、事業転換の際に解体するしかありませんが、トレーラーハウス(動産)は、場所を移動させて再利用することが可能です。 将来的に霊園のレイアウトを変更したり、あるいは別の場所へ移設して新たなサービス拠点としたりと、ビジネスのフェーズに合わせて資産を柔軟に活用できる「出口戦略」が描けるのです。
③ 建築に引けを取らない「空間の質」
「トレーラーハウス=簡易的なプレハブ」というイメージは、もはや過去のものです。 エリアノのデザインするトレーラーハウスは、断熱性や気密性といった居住性能はもちろん、内外装のデザインにおいても一般建築と同等、あるいはそれ以上のクオリティを実現します。

4. 空間デザイン:心を通わせる「最期のダイニング」
今回の設計において最も重視したのは、「お別れシーンの再定義」です。
光と素材が織りなす、温かな空間
室内(ホール棟)のデザインコンセプトは、従来の葬儀場に見られる「冷たく厳粛な空気」からの脱却です。 天井には温かみのある木目をあしらい、照明計画には特にこだわりました。 全体をフラットに照らす蛍光灯ではなく、ダウンライトと間接照明を効果的に配置。ご遺体を優しく包み込むような光の演出により、悲しみの中にも安らぎを感じられる、リビングのような雰囲気を創出しています。
「食べる」ことでつながる記憶
ホール内は、単に読経を聞くだけの場所ではありません。 ご遺体を囲んで、故人の好きだった食事を家族みんなで囲む──そんな「最期のお食事会」ができるよう、動線とスペースを計画しています。 小規模な空間だからこそ、故人との物理的・心理的距離が近く、形式にとらわれないアットホームなお別れが可能になります。

内と外をつなぐ屋根付きデッキ
ホール棟に隣接させた11mのデッキ棟は、ガラス張りの大開口を通じて室内と一体化します。 屋根付きの半屋外空間は、参列者が外の空気を吸って気持ちを整えたり、霊園の緑を眺めたりするための大切なバッファゾーン(緩衝地帯)として機能します。黒で統一されたモダンな外観と、周囲の自然とのコントラストも美しく、霊園全体の景観価値を高めています。

5. 今後の展開:霊園業界のニュースタンダードへ
建設費の高騰は、今後も長期化することが予測されます。 「建物を建てて事業を行う」という当たり前のモデルが通用しにくくなる中で、今回のいしとも様のプロジェクトは、霊園・葬祭業界における一つの「発明」と言えるでしょう。
初期投資を抑え、回収期間を短縮する
利用者にはリーズナブルで質の高いサービスを提供する
将来の市場変化に合わせて、施設そのものを移動・転用する
この「三方よし」を実現するエリアノのトレーラーハウスは、霊園のお別れホールに限らず、休憩所、管理棟、あるいは全く新しい用途の施設として、幅広い活用が期待されています。
株式会社エリアノでは、単にトレーラーハウスを製造・販売するだけでなく、事業者様の抱える経営課題やサービス設計に深く入り込み、最適な空間ソリューションをご提案いたします。
「予算の壁で計画が頓挫している」 「遊休地があるが、建築を建てるリスクは負いたくない」 「他にはない、デザイン性の高い空間を作りたい」
そのようなお悩みをお持ちの事業者様は、ぜひ一度、エリアノにご相談ください。 貴社のビジネスを加速させる、「動く空間」の可能性を一緒に広げていきましょう。
株式会社いしとも様 オリーブガーデン HP:https://olivegarden.co.jp/
エリアノへのお問合せ info@areano.jp
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