トレーラーハウス設計の独自の課題と制約
Published On: Mar 3rd , 2025 , Categories: Tips
トレーラーハウスの設計・製作には、トレーラーハウス独自の課題と制約があるため、開発の難しさがありますが、一方で一級建築士の腕の見せ所でもあります。
今回はどのような点が難しいのか、3点まとめたいと思います。
■ サイズと重量の制限
ナンバー付きトレーラーハウスは、道路を通行できるように道路運送車両法に基づき、車幅2,500mm以下、全長12,000mm以下、高さ3,800mm以下といったサイズ制限があります。都心の賃貸住宅はおおよそ25㎡くらいですから、室内面積はそれと同じくらいの大きさとなります。弊社の場合は、室内の天井高は最大2.6m程度となります。
こういった制約の中で快適な居住空間を設計する必要があるので、簡単ではありません。
ソリューションのために必要な機能か?(その機能、本当に必要か?)
室内に納めなくてはいけない機能か?(その機能、屋外でもいいか?)
その機能、サイズダウンは可能か?(その機能、サイズ縮小してもいいか?)
など、取捨選択をしながら設計をしていくことになります。
■ 使用素材の選定
トレーラーハウスは、工場から現地に牽引移動させるとき、時には高速道路も通ります。最も耐久性が問われるのは、移動させるときなのです。そのため、タイルや石、そして薄手の壁クロスなどが仕上材として活用できません。
また、大きな窓を設けることにも一定の制約があります。連窓は難しいといってもいいでしょう。
構造上の安定性を確保しながら、デザインする必要がある点が、一般的な建築物とトレーラーハウスの大きな違いです。
そして、機能や安全性、耐久性を意識しながら、デザイン性、かつバランスよくまとめることは、弊社の強みでもあります。
■ 設置場所の条件
トレーラーハウスの設置場所もいくつかの制約があります。
建築ができない場所でも車両が設置できる場所であればおくことができますが、公道までのルートを確保していることが条件となります。特に、大型のトレーラーハウスを設置する場合、搬入経路の幅や曲がり角、スロープの勾配などが問題となることがあるため、注意が必要です。「随時かつ任意に」移動できる状態であることと言われることが多いのですが、それはいつでも公道にまで運搬できる状態での設置である状態を指します。
また、地盤が柔らかい場所では、トレーラーハウスや牽引車両が沈み込むリスクがあるため、アスファルトや砂利敷などによる地盤改良や鉄板の敷設などの対策が求められます。
このように敷地の大きさや形状、地盤の硬さなどを考慮して設置場所を選定する必要があります。
なお、詳細な設置の指針については、トレーラーハウス設置検査マニュアル(非営利型一般社団法人日本トレーラーハウス協会が作成)に書かれています。
以上のように、トレーラーハウスの設計・製作には多くの難題が存在します。
しかし、これらの課題をクリアすることで、移動可能で柔軟な住空間を提供するトレーラーハウスの魅力を最大限に引き出すことが可能となります。
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